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  • 執筆者の写真Ken Sugizaki

サロンメンバー発【ブライトン Brighton & Hove Albion】分析

更新日:2023年2月22日

アジェンダ


・昨シーズン振り返り

・開幕戦に向けて

予想フォーメーション

・ブライトンの戦術詳細

敵陣攻撃 (左)

敵陣攻撃 (右)

その他攻撃ポイント

敵陣守備

自陣攻撃

・まとめ


昨シーズン振り返り


Brighton & Hove Albion(昨季成績:9位 勝点51 | 12勝15分け11敗 | 42得点44失点)

グレアム・ポッター監督(2019 -)率いるブライトンは、昨シーズンのプレミアリーグをクラブ史上最高順位の9位でフィニッシュ。今シーズンは2シーズン連続のトップハーフ、また欲を言えば、ヨーロッパ大会の出場権確保を狙うことになる。


#21-22シーズン振り返り

ブライトンといえば昨シーズンからゴール期待値(xG)の数値が非常に良いことが話題となっており、昨シーズンついに期待値に見合う妥当な成績が残せたシーズンであった。(ポイント期待値xPTSを基にした順位でも9位)


シーズン最初の5試合で4勝1敗と素晴らしいスタートを切ったが、2021年9/28のクリスタルパレス戦から2021年12/27のブレントフォード戦まで11戦勝利なし(8分3敗) 、その後7戦負けなし(3勝4分)と調子が上向いたが、2022年2/16 マンチェスター・ユナイテッド戦を境に6連敗。さらに6連敗の末、最下位ノリッジと引き分けと勝ち星から遠ざかり順位を13位まで落としてしまう。その中、CL圏争いのアーセナル、スパーズ、優勝争いのマンチェスター・シティとの三連戦を迎える。

しかし大方の予想を裏切り、アーセナル、スパーズ戦をなんと連勝で乗り越え、厳しい3連戦を2勝1敗とし、終盤のウルブズ戦は3-0,マンチェスター・ユナイテッド戦は4-0,最終節ウエスト・ハム戦は3-1とノリッジ戦以降ラスト8試合を5勝2分1敗(1敗はマンチェスター・シティ)と調子が上向きの状態でシーズンを終えた。


#システム、チームの特徴

名将ペップ・グアルディオラ監督や、マルセロ・ビエルサ監督からも高い評価を得るグレアム・ポッター監督は、相手やゲーム展開に合わせ多彩なシステムを用いる。

21-22シーズンでは3バック、4バックのシステムを併用し主に

・1-3-5-2

・1-3-4-2-1

・1-4-2-3-1

が使われた。


特出するチームの特徴としては、試合平均ポゼッション率が54.7%と21-22シーズン、マンチェスター・シティ、リヴァプール, チェルシーに次ぐリーグ4位の高さであり、格上相手でもボールを保持し、ゲームを運んで行く。

また得点数42点(リーグワースト6位)、失点数44点(リーグトップ6位)と得点も失点も少ないチームであり、昨シーズンの大きな課題として得点数の少なさが挙げることができる。



開幕節、マンチェスター・ユナイテッド戦へ向けて


予想フォーメーション

以下の1-3-5-2のシステムを予想。去就が不透明なククレジャ選手については予想から外しているが(2022年8/5 チェルシーへの移籍が決定)、もし出場可能であれば4ウェブスター選手に代わりに出場すると想定している。

三笘選手のスタメンでの起用は難しいと思われるが、途中出場は十分あり得ると考えている。


予想スタメン




三笘選手が途中交代で出場する場合、おそらくジョーカーとして得点を取りに行く場面などが予想されるため、11 トロサール選手が中央に入り8 ムウェプ選手がout で三笘選手 in を予想する


予想2




他ブライトンの交代選手として右サイド快速MF 2ランプティー選手, MF 14 ララーナ選手,VO 17 アルザテ選手, 昨シーズンのトロサール選手と同じくチーム得点王,FW 9 モペイ選手, 三笘選手と同じくユニオンからローンバックした21 Undav選手などがいる。

今シーズンからプレミアリーグ も交代枠が5名となったので開幕戦での三笘選手の出場に期待したい。



また相手のマンチェスター・ユナイテッドについてはプレシーズンマッチのメンバーを参考に選手を予想したが、ロナウド選手の出場や、アトレティコ戦で短い時間だったがインパクトを残したエリクセン選手の出場も考えられる。

直近の試合結果では4-0と大勝、もう一つ前の試合は0-2と敗れたものの前半は完全にブライトンのペース、後半ロナウド選手に先制を許しさらに5 ダンク選手が退場してしまうトラブルなども敗因の一つのため、決して悪い内容ではなかったと感じる。



戦術詳細

ここからはブライトンの戦術の詳細を述べる。

特に今後三笘選手が関わってくる、攻撃面に関して記載していく。


敵陣攻撃(左サイド)

昨シーズンは、11 トロサール選手、10 マクアリスター選手, 9 モペイ選手がフィールド左側でプレーすることを好むこともあり、加えて左サイドバックの3 ククレジャ選手の攻撃参加も強力であったため、左サイドからの攻撃や展開が多くあった。

また左サイドに重心を置くことで、右サイドにスペースを開け、2 ランプティー選手に仕掛けさせるスペースを与えるといったメリット理由なども挙げることができる。

以下画像のようにトロサール選手が左サイドでボールを持つようなシーンが予想される。

トロサール選手の特徴として、1対1を仕掛けられる能力があるため、相手のシステムや選手にもよるが、チームとしての勝負ポイントとして挙げることができる。

開幕節マンチェスター・ユナイテッド戦では対峙する相手の右サイドバックがダロト選手、もしくはワンビサカ選手が予想されるが、プレシーズンの出場を見る限りダロト選手と予想。

決して甘い相手ではないが、ここを勝負ポイントと設定しても、勝機はあると感じるので、見所のポイントの一つではないかと感じる。


敵陣攻撃





(三笘選手が出場の場合の予想)

三笘選手が出場する場合でも、おそらくシステムの変更はなく、上記予想2や上記画像のトロサール選手のポジションと同様の左WBの役割が与えられると予想できる。

昨シーズンの課題としてチームの得点力不足が挙がる中、トロサール選手を中央に置いて試合を戦うことが何度かあった。

三笘選手が出場した場合、左サイドでトロサール選手が行っていた役割を遂行し、共存することができれば、チームとしての攻撃力のアップが期待できるだろう。



敵陣攻撃(右サイド)

昨シーズン左での出場も多かった両サイドプレー可能な左利きのマーチ選手が起用されると予想。快速のランプティー選手が出場するとまたガラッと変わるが、ここではマーチ選手が起用された時を想定する。


以下画像のようなシーンが想定される。

先日のプレシーズンマッチ、エスパニョール戦にてみれた、グロス選手との連携はとても見ものだったと感じる。

後述もするが、ビルドアップの際はU字型の4バックの右サイドのところにグロス選手(場合によってマーチ選手も)入り、ビルドアップを行い、グロス選手が幅を取った時はマーチ選手がインナーラップ、マーチ選手が幅を取った時はグロス選手がインナーラップを行う。

マーチ選手はトロサール選手ほど強力ではないと感じるが、個人で縦に仕掛けることもできる選手であり、利き足ではない右足でも質の高いクロスをあげることができ、さらに深い位置から切り返して左足のクロスなど両足でのクロスが可能である。その対応は相手にとって厄介だろう。開幕戦でも二人の連携は注目ポイントの一つだ。


敵陣攻撃




その他攻撃のポイント

昨シーズンの終盤の好調になった要因の一つとして、ムウェプ選手、カイセド選手の存在が挙げることができる。

両選手ともにアーセナル戦でスタメン(ムウェプ選手は久々の復帰、カイセド選手は初スタメン) に抜擢されてから、チームの成績が上向いていることは結果として出ている。

結果が出た理由の一つとして、ボールの有無かかわらず、両選手の縦への推進力を挙げることができる。得点力不足で最下位ノリッジ相手に30本ほどシュートを打ったにもかかわらず点が取れなかった試合に比べ、両選手がサイド攻撃からのクロスの際に、ペナルティエリア中へ入っていくことで人数の厚みを増やし攻撃力を上げたことや、セカンドボールを回収し、再度攻撃につなげる能力はチームの攻守にわたって大きく貢献した。また両選手ともにカウンターの際にドリブルで運ぶこともできる選手なので、速攻の際にも重要な役割を果たすことが出来る。



敵陣守備

今シーズンのブライトンにおいて、避けては通れないポイントが、ビスマ選手の退団だ。

相手が守備→攻撃に切り替わるタイミングに中盤にいて、相手のカウンターの目を潰すといった能力は絶大的なものであり、

またビルドアップや対人の強い守備などチームへ大きく貢献していた選手だ。

今シーズンこの退団の穴を埋める選手の候補として10 マクアリスター選手と17 アルザテ選手が挙げることができるが、マクアリスター選手がその穴を埋めるのではないかと考える。

昨シーズンは1-3-4-2-1の2シャドーの一角や2トップの一人など前線を務めることも多くあったが、いくつかの試合で少し守備の役割も多い中央のポジションを行ってもいた。

マクアリスター選手をこのポジションに置くことのデメリットとして守備強度と高さがビスマ選手に比べて落ちてしまうことがあるが、守備強度の高いカイセド選手と組むことなどで

カバーはできると感じる。(昨シーズンの守備スタッツとしてタックル数がリーグ全体で30位、と守備意識が低くはない)

それ以上にメリットとして、ビルドアップの上手さや、チャンスクリエイトを行う攻撃参加などのメリットがあるため、ビスマ選手が抜けた穴はカバーできるのではないかと感じる。



マンチェスター・ユナイテッド戦では以下が想定される。

グロス選手とマクアリスター選手が入れ替わることなどは考えられるが、2トップが相手VOのパスコースを切りながらサイドに運ばせ、

中央にパスが入った際やウイングの選手へ縦パスが入った際には厳しく当たり、相手に前進をさせないようにする。

特にフレッジ選手、マクトミネイ選手にはカイセド選手やグロス選手、マクアリスター選手に加え、少し降りてきたムウェプ選手、ウェルベック選手と中盤に人数をかけ制圧し、ボールを握らせない展開へ持っていくことを期待したい


敵陣守備





自陣攻撃

昨シーズンのブライトンは3バックでのシステムが多かったことから3バックを前提で考える。

自陣からの攻撃に関して、可変システムをとり、以下画像のような1-4-2-3-1に近いようなシステムになる

3CBの左側の選手がいわゆる4バックの左サイドバックの位置を取り、中盤右の選手、もしくはウイングの選手が降りてきて、いわゆる4バックの右サイドバックの位置に配置し、ビルドアップを行う。

今シーズン懸念点の一つとして、先行きが不透明な選手のククレジャ選手がある。

彼は守備時3CBの左を務めながらも攻撃時には左SBとして役割を果たす、攻守において重要な存在であった。この役割を果たすには多くの運動量が必要であることに加え、バランスをとること、また適切なポジションへの位置取りの難易度が高いため、影響が大きいだろう。

彼の代わりとして想定される選手が、ウェブスター選手と予想できるが、ククレジャ選手に比べ、守備能力は高くなるものの、元々CBが本職の選手なので、自陣攻撃という面では、ポジショニング等で少し不安が残る。

逆に今シーズンの見所として2つ。

1つ目はマクアリスター選手のボールを失わない保持能力や、ワンタッチでボールを振り分ける巧さそして何よりオフ・ザ・ボール時のポジション取りの巧さだ。彼の適性ポジションがもう一つ前ではないか?との議論の余地はあるが、今シーズンが始まればそうした議論がなくなるほどに彼でないとできない役割をこなし、違いを生み出す選手であることを証明するだろう。

また低い位置からではあるが、よりチャンスを作るようなパスを配球できる選手であるため、上記守備面で不安は否めないが、攻撃面では多いに期待をしたい。

2つ目は右サイドのグロス選手とマーチ選手、そしてそこでのFWとの関わりの箇所に注目したい。

相手の状況や、自身の状況により、流動的にポジションをお互い入れ替え、相手の敵陣守備時の立ち位置を多少混乱させることができると想定できる。またグロス選手は中央寄りのポジションでもあり、ワイドに幅をとった際に、そのスペースにウェルベック選手やムウェプ選手が降りてきて使ったりなど、守備者を惑わせることができるだろう。



自陣攻撃




まとめ

チーム史上初のトップハーフで終えることができた昨シーズン、今シーズンはどこまで結果を伸ばせるのか期待をしたい。またやはり日本人としては三笘選手の加入が何よりも注目ポイントの一つであるため、どこまでチームにフィットするのか、チームにフィットした際にどれほどの結果を出すことができるのか注目したい。

開幕戦はテンハーグ新監督率いる強豪マンチェスター・ユナイテッド、相手にとって不足なし。勝利する可能性も大いにあると感じるため、良い試合が行えることを期待したい。


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